2022年3月10日の新着作品をきっかけとする、一連の出来事についての記事です。
目次
はじめに
正直、最初は静観するつもりでした。しかし私の想像を超えて大きな話題となっているので記事にしています。
ただ私は第三者であり、詳細を正確に書くことができません。
いろいろ考えた結果、「誰がやったのか」ではなく「何があったのか」を重視することにしました。
そのため、記事中ではクリエイター名は伏せた記事となります。
この記事書き始めるよりも前にまとめサイト等で拡散してますので、そういう情報はそっちで。
何があったか
10日 | クリエイターAがSkebに「過去のイラストをトリミングした作品」を納品する。 |
11日 | Skebから複数の納品済み作品が削除、Pixivからトリミング元の投稿作品が削除。ツイートも削除? |
Skeb公式となるがみ氏ツイート。「納品物に新規の創作性が認められないものは規約とポリシー違反」 | |
クリエイターAが説明と謝罪のツイート。 | |
12日 | クリエイターAのSkebアカウント凍結。 |
10日夜の時点で小規模ながらTwitterや5chなどネットで話題になっていました。
11日午前に拡散、午後にはまとめサイト記事が、といった感じです。
フォロワー数や最低金額・おまかせ金額の数字の大きさも燃料になったのかなと思います。
依頼内容と納品物について
いずれもSkeb削除済みのため、うろおぼえになります。
問題となった新着作品
「(クライアントの)オリキャラを書いて」という依頼だったと思います。設定資料が提示(固定ツイ見て、だったかも)されていました。
シチュエーションとして「〇〇をめくりあげる」ような指定がありました。
〇〇はタンクトップとかパジャマとかそういう服の種類で、そこだけ依頼文と納品物で一致していたような覚えがあります。
納品物は過去絵から服装が合致するのを選び、顔が見えないようにトリミングしたという感じでした。
あと宛名がありましたね。手書きではなくフォントだったと思います。
擁護する気はありませんが「トリムしただけ」は不正確な表現ですので念のため。
過去絵に加筆した上で宛名入りだったら良かったのにね。
一緒に削除された作品
まとめサイトでは「全部で7つくらい?」とありました。私が覚えてるのは4つほど。
ボテ腹カラーイラスト:
依頼文は覚えていませんが、これも納品物は過去絵を顔が見えないようにトリミングした感じ。
キャラが一致していたがどうかは不明。
モノクロ漫画×2:
依頼文は某ソシャゲのキャラ+シチュ。納品物はキャラ(たぶん衣装も)は一致しているがシチュは完全無視。
「同人誌からの使い回し」と言われているのはこれだと思います。トリミングされていたかはわかりません。
モノクロイラスト:
クライアントのオリキャラ2名のイラスト。これは依頼文と納品物が合致していように見えたので削除されていて驚きました。
削除について
Pixivの作品はクリエイター自身が削除したのでしょう。さすがにPixiv運営が動いたとは考えづらいです。
ではSkebの作品は?
Skebは運営削除
Skebはクリエイターが任意の作品を削除することは出来ません。
「非表示にする」機能はあります。削除ではないので、クリエイターのユーザーページには「PRIVATE」サムネが残ります。
・アピールの送信に一定の制限がかかるようになりました。(コピーアンドペーストの内容の送信や連投ができなくなりました。)
・クリエイターが任意の作品を非表示にできるようになりました。ただし締切厳守率が低下し、30日間手数料の割引を受けられなくなります。— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) November 12, 2021
よって、「運営が削除した」ことになります。
削除への経路は?
運営が削除したとして、そもそもどういうルートで削除の対象になったのか?
- 運営がサイトや管理ツールで発見した
- クリエイター自身が削除申請した
- クライアントが何らかの申請をした
考えられるのはこのあたりでしょうか。
とりあえずクライアント申請は複数の作品(クライアントも複数のはず)なので無さそう?というかクライアント向けの申請窓口がどこにあるのかわかりません。
じゃあ運営かクリエイターかという話になりますが、なるがみ氏からツイートが出ました。
不正クレジットカードのロンダリング対策で、すべての納品物はGoogle Image Search APIにかけられていて、ネットにすでにアップロードされている画像を納品した場合、スタッフに通知が行って数日以内に対応されるようになっています。
— なるがみ (@nalgami) March 11, 2022
モザイクチェック含めて規約とポリシー違反自体は日に数十件ぐらいあって24時間体制で3人の専属スタッフがチェックしてます。昔は僕一人でやってたけど、買収されてからは開発と日々の運営からは抜けて、会社の経営と大きな機能の策定だけやってます。
— なるがみ (@nalgami) March 11, 2022
チェックシステムからスタッフへ通知がいったようです。
余談
この話を思い出しました。(上のはGoogleのAPI使ってますが)
3年前に@shucream0117らと一緒に、同人誌の違法アップロードサイトをクローリングしてサムネやメタタグ情報から登録作品の違法アップロードを検出するYukatanって試作品プロダクトを作ったことがある。検出率80%ぐらいでアナログスキャンも検出できた。結局買ってくれる会社がなかったのでお流れ。
— なるがみ (@nalgami) May 19, 2019
削除の理由は?
Skebは依頼文をガン無視した納品ができます。
完成度はクリエイターが決定し、クライアントは完成度に異議を申し立てることができません。
キャラクター、構図、解像度、差分、ファイル形式などいかなる内容もクリエイターは従う必要がありません。
いかなる納品物でも問題ないという条件に同意できない場合、本サービスを利用することはできません。出典:クライアントガイドライン | Skeb 引用日付:2022/03/11
どんなにお金を積まれてもラフ絵納品していいです。
20,000円でラフを描いていただいても良いですし、5,000円でフルカラーを描いていただいても問題ありません。
出典:クリエイターガイドライン | Skeb 引用日付:2022/03/11
Twitter等を見ていると「ひどい話だけど規約上は問題ないのでは?」「対応はされないのでは?」という反応が意外と多くありました。
みんなよく規約読んでるんだな―と感心したくらいです。
では、今回どのような理由で削除されたのか?
これも自分でいろいろ考えましたが、公式のツイートから答えが。なるがみ氏のも後ほど。
Skebでは、規約とポリシーにより、納品物がクリエイターご自身が製作されたものであっても、送金を目的した取引、資金を得る目的での作品完成前の仮納品、新規の創作性が認められない作品、その他運営が不適切と判断した取引は保留となり後日スタッフが確認し取り消しとさせていただく場合があります。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) March 11, 2022
「新規の創作性が認められない作品」 に該当、つまり「使い回しはNG」です。
これはなかなか貴重なメッセージではないでしょうか。先ほどの「対応されないのでは?」の反応、私も同意見でした。はっきりNGとされたのは意外です。
支払いはどうなるのか?
クライアントには全額返金されます。
納品物に新規の創作性が認められないものは規約とポリシー違反になるよ。
キャンセルになったものは時期に関わらずクライアントの方に全額返金となるよ。— なるがみ (@nalgami) March 11, 2022
これは過去にも事例があったと思います。
ただ、これは「Skebからクライアントへ返金」の話。決済会社(クレカ?)を通して返金が行われるはずです。
対して「クリエイターからSkebへ返金」、これがどうなるかは不明です。
未出金分は回収されるでしょう。しかし出金済みのお金がどうなるかはわかりません。
「売上金がマイナスになって次回以降の納品で充当」のような話も聞きましたが、売上を取り消された当人にしかわからないため情報が乏しいです。
クレカ情報の保持
余談。
いつだったか、「Skebのアカウント削除・登録し直したらクレカ情報が残ってた」みたいなツイートを見ました。
おそらくこういう納品後の返金のためにクレジットカード情報が残っているのだと思います。
ちなみにクレカ番号などはSkebではなく決済代行会社が保持しています。(ネット通販はたいてい決済代行を使います)
短期間で削除→登録すると、「紐付けを直すだけ」になるのでしょうか。
クリエイターへの対応は?
記事の趣旨に沿ってここは簡潔に書きます。
作品削除と売上金については前述したのでアカウントへのペナルティについて。
まず、アカウント削除(BAN)はされていません。(3月11日 17:30現在)
Twitter等見ていると情報が錯綜している感があります。作品は削除されましたがアカウントは残っています。
一旦凍結、後に解除?→凍結
たぶん凍結されたと思うのですが……。
SkebサイトからPC版Chromeの「SkebButton」プラグインが入手できます。
導入するとTwitterページからSkeb登録済みユーザーのステータスが見れます。
TwitterプロフィールにSkebの募集状況を表示するChromeプラグイン「Skeb Button」を公開しました。
Skebのページを見に行かなくても募集中かどうか、納品作品数が何件かなどが分かります。
TLで見かけたクリエイターさんにリクエストを送りたいな!という場合に便利かと!https://t.co/GuuTfMBjGB pic.twitter.com/7XnWGtNEPC— なるがみ (@nalgami) April 6, 2020
11日朝の時点でクリエイターAのステータスは「登録済み」になっていました。
これは実績の無いクライアントや、「実績が無く募集停止中のクリエイター」のステータスのはず。
おそらくこのとき「Skebアカウントは凍結」だったのでは。
その後11日昼に見たときは「納品:○件」になっていました。(3月11日 17:30現在も)
そもそも本当に凍結だったのか、そして今は募集再開できるのかはわかりません。とりあえず変化があったとだけ。
3月12日追記:凍結されました。
Skebのユーザーページにアカウントが凍結されているメッセージが表示されました。作品一覧なども非表示となっています。
SkebButtonのステータスは「納品:○件」のままでした。時間が経てば変わるかもしれません。
その他
これ以上ガイドライン盛り盛りにしてクイズ増やしたりもしたくないのでよろしくお願いします
— なるがみ (@nalgami) March 11, 2022

おしまい
以上。

3/11夜追記:
クリエイターから謝罪ツイートが出たのを反映。また少し騒がしくなっていますが、炎上はしないでしょう。
一時はどうなることかと思いましたが、一日足らずでひとまず終息となりそうです。
3/12追記:
Skebアカウントが凍結していました。