2022年5月20日、ラストオリジンの二次創作ガイドラインが公開されました。
ソシャゲの二次創作ガイドラインは、最近では珍しくはありません。
しかし今回は公開までの流れが話題になりました。
この記事ではそのあたりに触れつつ、Skebでのラストオリジンの二次創作について考えていきます。
目次
はじめに
ラストオリジンとは
スマホやDMMで配信されているソシャゲです。
世界観などはピクシブ百科事典におまかせ。
ラストオリジンとは、韓国のゲーム会社SmartJoyが提供する、キャラクター収集ターン制SRPGである。
出典:ラストオリジン (らすとおりじん)とは【ピクシブ百科事典】 引用日付:2022/05/20
人間(ホモ・サピエンス)は滅んでいて「旧人類」扱いされているとのこと。

Skebの二次創作
作品の二次創作ガイドラインがあれば、それに従う規約です。
二次創作については各作品の二次創作ガイドラインに従ってください。
出典:利用規約 | Skeb 引用日付:2022/05/20
ガイドラインが無い場合はグレー。
権利者からSkeb運営へ申し立てがあれば、削除等の対応がされます。

2022/05/26追記:
クリエイターさんが公式に問い合わせた結果、コミッション含む「クリエイター支援プラットフォームはOK」とのこと。
『ラストオリジン』様に「コミッションや支援サイトにて『二次創作ガイドライン』を適応した場合の判断はどうなりますか?」と問い合わせをお送りしたところ、「クリエイター支援プラットフォームにつきましても、イラストや漫画の形のデジタルコンテンツなので「OK」です。」とのご返答を頂きました。
— ふとし@Skeb募集中 (@hutoshi_19) May 26, 2022
ラストオリジンの二次創作ガイドライン
本題に移ります。まずはガイドラインの内容から。
公式サイトのニュース記事で公開されています。
また自由な創作活動を支援するためにも、二次創作についてはできるだけ制限を設けないというのが私どもの考えであります。
特に、同人イベントへ参加する会誌(同人誌)については、大きな営利を目的としない場合に関しましては、特に関与しないこととします。
また、ネット上での取り扱いは、DLサイト等での同人誌通販および電子版同人誌等の販売のみ許容とさせて頂きます。
ただし、オンライン、オフラインを問わずグッズの制作および販売、そのほか規模の大きな商業化といった、営利を目的とする場合に関しては、別途検討が必要となることをご理解頂きますようお願いいたします。
出典:「ラストオリジン」二次創作のガイドライン 引用日付:2022/05/20
※引用にあたり、改行位置を調整してあります。
「できるかぎり制限を設けない」ためか、やや曖昧な印象。
ガイドライン公開の流れ
内容の解釈の前に、公開されるまでの流れを。

DLsiteの同人作品が販売停止
2022年5月19日。「DLsiteでラスオリのDL同人作品を販売停止」というツイートが話題になりました。
【お知らせ・報告】先ほど権利者様からのご指摘を受けまして、DLsite様にて電子販売しておりました『ラストオリジン -Last Origin』に関係する計2つの作品の販売停止作業を致しました。
この度は関係者各位、皆々様にご迷惑をお掛けしましたことを謹んでお詫び申し上げます。— ふとし@Skeb募集中 (@hutoshi_19) May 19, 2022
【お知らせ】権利者様からのご指摘を受けまして、DLsite様にて販売しておりましたラストオリジンの二次創作同人誌、全2点の販売を停止致します
この度は関係者各位及び皆々様にご迷惑をお掛けしましたことを謹んでお詫び申し上げます— 天乃羽浅戯@新作丸吞み触手スケベブック販売開始 (@asagi_D_trooper) May 19, 2022
ちなみに「権利者による販売差し止め」ではなく、連絡を受けたクリエイターさんが取り下げています。
ガイドライン公開とDLsiteの販売再開
翌日、ラストオリジン公式が二次創作ガイドラインを公開。
【二次創作に関するご案内】
いつも「ラストオリジン」をプレイ頂き誠にありがとうございます。
この度は本タイトルの二次創作に関するご案内です。
詳細は公式サイトからご確認できます。https://t.co/qUQD7zW0dr
引き続き、応援をよろしくお願いいたします。#ラスオリ pic.twitter.com/dlLxzxmEea
— ラストオリジン -Last Origin (@lastorigin_info) May 20, 2022
ガイドラインには「DLサイト等での同人誌通販および電子版同人誌等の販売のみ許容とさせて頂きます。」の一文。

この前後に、クリエイターさんに権利者から「DLsiteで同人作品の販売は問題無し」の連絡があり、販売再開となりました。
【お知らせ・報告②】先日、権利者様からご指摘を受けDLsite様にて電子販売停止しておりました『ラストオリジン -Last Origin』に関係する作品ですが、
先ほど「権利者様から『内部にて検討した結果、先日の販売件は貴社にてご販売するに当たり問題無い』」とのご連絡を頂き、販売が再開となりました。— ふとし@Skeb募集中 (@hutoshi_19) May 20, 2022
ラストオリジンの同人誌が販売再開させていただけたようで寛大なご対応をしていただき嬉しい限りです
1年半前とかそんな感じのやつでお恥ずかしいですが、ニンフさんとマリーさんのおねショタスケベブックになります
よろしくお願いしますhttps://t.co/lEXbZMm1xuhttps://t.co/oPdjG4Tcu8— 天乃羽浅戯@新作丸吞み触手スケベブック販売開始 (@asagi_D_trooper) May 20, 2022
なんだったの?
販売停止からガイドライン公開+販売再開まで26時間くらい。すごいスピード感でした。
「なんだったんだ」というのが正直な感想です。
なぜ販売停止に?
販売停止の理由は公式からアナウンスされていません。

「公式がダメと言ったらダメ」は大原則。それはそれとして気にはなります。
Twitter等、ネット上で見かけたのはこんな感じ。
- 紙はいいがDL同人はNG
- ラスオリ公式作品をDLsiteで出すから(過去に『にじさんじ』でR-18一斉販売停止あり)
- 本国(韓国)の二次創作ガイドラインの「商用禁止」による対応
- ふたなり等の世界観的にNG要素があった
最後の「運営の性癖的NG説」は面白かったですが、アナウンスが無い以上はどれも憶測止まりです。
なぜ販売再開?
これも公式のアナウンスはありません。
ただ、クリエイターさんへの連絡で「内部にて検討した」とありますね。
ネット上の反応は
- 運営の内部で足並みが揃ってない?
- 予想外の反応(≒炎上)で方針転換した?
といった感じ。
話題になったた翌日にガイドラインが出てきましたからね。
内容も含めて「慌てて作ったのかな?」と感じました。
結局、停止も再開も正確な理由はわかりません。
「NG出したけどやっぱりOK」、言ってしまえば手のひら返し。印象が悪くなりかねません。
しかし、ガイドラインが二次創作・同人活動に寛容な内容で、さらに稀に見るスピード対応だったため、界隈の人達の印象は良かったようです。
5月20日は金曜日だったため、週をまたいでいたら同じ結果にはならなかったかも。

ガイドラインの解釈
本題の本題、ガイドラインの解釈について。
同人誌はOK、音声作品やゲーム作品は言及なし
特に、同人イベントへ参加する会誌(同人誌)については、大きな営利を目的としない場合に関しましては、特に関与しないこととします。
また、ネット上での取り扱いは、DLサイト等での同人誌通販および電子版同人誌等の販売のみ許容とさせて頂きます。
同人誌はイベント・通販・DL販売すべてOK。
ただ、細かく言うと「同人誌」の範囲が明確ではありません。
漫画と小説作品はOKでしょう。CG集も、まあ大丈夫かな?
BGMアレンジなどの音楽、ASMRなどの音声、あとはゲーム作品。
「同人誌」とは言い難いこのあたりの扱いは不明です。

とはいえ「できるだけ制限を設けない」と言っているので、そこまで心配は要らないかと。
グッズ販売と商業は別途検討
ただし、オンライン、オフラインを問わずグッズの制作および販売、そのほか規模の大きな商業化といった、営利を目的とする場合に関しては、別途検討が必要となることをご理解頂きますようお願いいたします。
同人誌はOKでもフィギュアやアクキーなどのグッズを禁止としている版元は多いです。
ただ、ラスオリは禁止ではなく「別途検討が必要」としています。
ちょっと解釈に困りますね。
版権絵をそのまま使った海賊版グッズは論外として、二次創作した絵や造形のグッズがどうなるのか?
一律禁止ではないけど、モノによっては差し止めなどの事後対応を行う感じでしょうか?
真っ黒ではないけど黒寄りのグレーっぽい。私だったら避けて通ります。
SkebやFANBOXの扱いは
あらためてガイドラインを確認。
また、ネット上での取り扱いは、DLサイト等での同人誌通販および電子版同人誌等の販売のみ許容とさせて頂きます。
※このガイドライン、有償販売の話をしたくて無償公開の話をすっ飛ばしている感があります。
「Twitterやpixivの無償公開は許容しない」と読めなくもないですが、さすがにそれは無いでしょ。
SkebやFANBOXといったコミッションや支援サイトについても言及がありません。
ガイドラインが出たことによって逆によくわからん状態になっています。
暗に禁止と言っているのか、運営がこれらを想定していないのか。
後者だったらグレーのまま、現状維持なのですが…。

「DLsite等~の販売のみ許容」ということは、逆に許容しないものがあるということです。
それが後に続くグッズ化や商業規模の活動を指すのか、コミッションや支援サイトを指すのか。
判断がつきません。公式から追加の情報が欲しいところです。
でも追加でNGと明言されるくらいなら、グレーのままが良いのも正直なところ。
この記事を書いている現在、SkebやFANBOXで権利者申し立てがあったという話は聞きません。
Skebの新規含む依頼は、グレーのまま現状維持かなと思います。
ただ、「二次創作リクエストはガイドラインのリンク記載して」という方針のクリエイターさんへの依頼は難しくなりそうですね。
2022/05/26追記:
冒頭にも追記しましたが、ふとし氏がコミッションについて問い合わせた結果、コミッションを含む「クリエイター支援プラットフォームも二次創作ガイドラインでOK」と返答があったとのことです。
『ラストオリジン』様に「コミッションや支援サイトにて『二次創作ガイドライン』を適応した場合の判断はどうなりますか?」と問い合わせをお送りしたところ、「クリエイター支援プラットフォームにつきましても、イラストや漫画の形のデジタルコンテンツなので「OK」です。」とのご返答を頂きました。
— ふとし@Skeb募集中 (@hutoshi_19) May 26, 2022

おまけ
ガイドライン中の「DLサイト等」のところ。
これは販売停止→再開したDLsiteを指しているはずですが、正式名称ではなく英カナ混じりの表記になってるのが気になりました。

まとめ
- 同人誌のイベントも通販・DL販売もOK
- グッズ販売と商業規模の活動は要注意
- それ以外の作品形式はグレー
SkebやFANBOXなどのサイトはグレー?→クリエイター支援サイトの漫画・イラストはOK
肝心のSkebについてがグレーです。しかも十分に黒とも解釈できる内容。
しばらくは公式のアナウンスを注視する必要がありそうです。
ラストオリジン -Last Origin(@lastorigin_info)さん / Twitter
公式アナウンスではなく、クリエイターさんの問い合わせ回答のシェアという形でしたが、SkebもOKとなりました。
ラストオリジンの二次創作についての記事はここまでとなります。

関連記事:
-
【Skebコラム】二次創作について
Skebでの二次創作についての読み物記事です。
Skebの規約や公式Twitterへの意見や感想、いくつかの作品の二次創作ガイドラインの紹介など。
更新履歴
2022/05/26:ふとし氏の問い合わせツイートを追記
沼底市場
記事内で紹介したクリエイターさん、偶然にもSkebで活動されているのでそちらのリンクも合わせて。
ふとし / ふとし乳業
おっぱいとふたなりの人。
Twitter:https://twitter.com/hutoshi_19
Skeb:https://skeb.jp/@hutoshi_19
天乃羽浅戯 / ASG-Project
おっぱいと触手の人。
Twitter:https://twitter.com/asagi_D_trooper
Skeb:https://skeb.jp/@asagi_D_trooper
ラスオリ作品
ラストオリジンで検索。
2022年5月21日時点ではヒット数がとても少ないです。
一時的な販売停止の影響でしょうか。(作品名を伏せているのもあります。)
