

こんな疑問に関する記事です。
クリエイター支援を謳っているSkebですが、有償依頼ということで二次創作作品の著作権については疑問がついて回ります。

Skebにはコンテンツホルダー(原著作者)が二次創作を認めるとともに、売上から還元を受ける仕組みがあります。
この記事では二次創作公認プログラムについての情報をまとめます。
目次
クイックガイド
二次創作公認プログラム 概要と二次創作公認プログラム 登録作品を参照。Skebからは利用規約やクリエイター/クライアントガイドラインの上部『二次創作公認プログラム~』で飛べます。
この概要がよくできていまして、イラスト1枚とスライド3枚だけでほぼ把握できます。「重要なポイント」もわかりやすくまとめられています。
まずは上記リンクの確認をおすすめします。
要点まとめ
コンテンツホルダーが登録するプログラム
コンテンツホルダー(原著作者)がSkebでのファンによる二次創作を公認し、収益の還元を受ける仕組み。
「二次創作公認プログラム」の開始にあたり、二次創作の公認化にご賛同いただき、収益を還元させていただくコンテンツホルダさまとして、
- バーチャルYouTuberのみなさま
- バーチャルYouTuberを管理しているプロダクションの法人さま
- オリジナルの作品を発表されている漫画家、イラストレーターのみなさま
- 出版、編集、ライツ、エージェントの法人様
を募集させていただきます。
出典:二次創作公認プログラム開始に伴うコンテンツホルダさま募集のお知らせ | by Kazunari Kida | skeb_jp | Medium

クライアント/クリエイターの追加作業無し
依頼文から自動判定される。
ファンアートかどうかの判定はSkebのシステムが自動で行います。クライアントの方やクリエイターの方が追加で作業を行う必要はありません。
2. TwitterのDMなどで打ち合わせはせず、本文だけで完結させてください。これには2つの理由があります。本文の内容を解析してファンアートの原著作者さまに売上の一部を還元する「二次創作公認プログラム」の適切な運用ができなくなるのと、過去に進捗の催促やリテイク強要のトラブルがあったためです
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) August 19, 2019
適用の有無は非公開
コンテンツホルダーが適用を判断
適用可能な依頼に対して適用するかはコンテンツホルダーが判断し、依頼のクライアント/クリエイターにも第三者にも公開されない。
どのファンアートから原著作者さまが売上を受け取っているかは、原著作者さま以外分かりません。
描いたクリエイターの方も知ることはできません。
つまり、Skebには「公認のファンアート」と「原著作者さまが売上の受け取りを拒否した公認されていないファンアート」が、原著作者さま以外区別できない状態で投稿されることになります。
還元はサービス手数料から
還元はSkeb運営が受け取るサービス手数料から支払われるため、クリエイターの受取金額は変化しない。
原著作者さまへお支払いするお金は、運営会社が徴収するサービス手数料の中に含まれているため、ファンアートか否かによってユーザーのみなさんがお支払いする手数料が変わることはありません。
※還元率は2021/11/13時点で売上(依頼額)の10%。最新情報はリンク先を参照。
適用外について
コンテンツホルダーや関係者が直接関わる依頼は適用外
公式が絡まないファンメイドの作品が対象となる。例として、VTuberが自身のファンアートを依頼した/依頼されて描いた場合は適用外。
原著作者さまやその関係者さまが、依頼されたり納品されたイラストについては、本プログラムは適用されません。

ブースト金は適用外
チップ機能の注意事項
・リテイクや修正をチップを通してお願いしないでください。
・手数料の計算方法がリクエストと異なります。リクエストの手数料が無料の場合でもチップ用のキャンペーンが開催されていない場合は原則15%です。
・チップは二次創作公認プログラムのインセンティブの対象外です。— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) September 21, 2019
※「チップ」はブーストの旧称
おわり
二次創作公認プログラムについての要点まとめはここまでとなります。

以降は細かい情報や個人的なメモになります。ご参考までに。
実情について

という話です。ちなみに管理人はプログラム対象作品のリクエストをしたことはありません。その上で所感などを書いていきます。
著作物の登録はマイナー作品が多い
二次創作公認プログラムはニコニコのクリエイター奨励プログラムを元にしているようです。
二次創作公認プログラムも結局のところクリエイター奨励プログラムのサイズダウン版(うちは任天堂と組んだりはできない)であるし、ドワンゴ時代にやり残したことをできる範囲でやってる感じがする。もっとクリエイター支援事業をやりたかったなぁ。コミッションもニコニコ静画こそシナジーある。
— なるがみ (@nalgami) May 28, 2019
※なるがみ氏は『ニコニ立体』のエンジニアという経歴。
このクリエイター奨励プログラムの法人等著作物一覧を見ると、セガやバンナム、スクエニや任天堂といった大企業が並びます。著作物単位だとスクエニのFFが入っていないとかありますが、ドラクエやアイマス、東方などの化け物コンテンツが対象になっています。
比べて、Skebの二次創作公認プログラムに大企業の著作物は少ないです。
有名なのはユニティちゃんや東北3姉妹でしょうか。あとは個人的に『ネコぱら』がSteamで外国人に人気のゲームと聞いたことがあるくらいです。
動画などの投稿と違い、有償依頼という点や毎回判定が必要になるあたりが難しいのでしょうか。
公認二次創作は誰も不快な気持ちにしたり、不利益を与えない素晴らしい試みだと思う。企業はコンプライアンスの問題がまだまだ多くて大企業のIPでは現時点では難しいけど、東方を皮切りにブラウザゲームとかで流れが広まってるのは良いね。DMMの亀チョクで僕が取り組んだのも公認二次創作事業だった。
— なるがみ (@nalgami) February 13, 2019
「二次創作の公認作品があると聞いて見にいったらラインナップでガッカリ」というのが正直な感想です。これからの拡充に期待しています。
VTuberの登録が多い
※管理人が名前を言えるVTuberは『キズナアイ』と『輝夜月』くらいです。それくらいVTuberに疎い人間の感想・意見となります。
2021/11/13時点で登録作品数は237件です。そのうち9割ほどがVTuberのようです。いくつかYotubeを覗いてみましたが、上は10万再生の常連チャンネル、下は2桁再生の過疎チャンネルという状態です。
ちなみに新規登録基準(審査基準)は何度か変更されています。ちょっと古いツイートですが、2021/11/13現在の基準はこれだと思います。
本日より二次創作公認プログラムの新規登録に関する基準を下記のように変更させていただきます。
ご登録いただいたvtuberさんについて、引退されてご連絡が不通になるなど管理コストが増加しており変更させていただく運びとなりました。
ご理解とご協力をお願いいたします。https://t.co/WnM5Ae6izF pic.twitter.com/Iu0Ekqc3d6— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) September 16, 2020
※この条件は概要ページに記述がありません。登録フォームで表示されるようです。
管理人は疎いので、Youtubeチャンネル登録者やTwitterフォロワーが1万人というのが、どの程度のラインかわかりませんが……。「ホロライブ」で検索して最初に(切り抜き動画が)出てきたPekora Ch. 兎田ぺこら - YouTube(管理人でも名前を聞いたことがある)の登録者が177万人でした。トップ層の方と2桁しか違わない1万人は結構なハードルの高さなのでしょうか。
管理人は長い間、いわゆる買い専で同人サークル・同人作品にお世話になっています。商業作品でもそうですが、同人作品を個人で買い支えるのはとても難しいです。
なので、(失礼ながら)ファンの数がまだ少ないVTuberさんの支援になるのは良いプログラムだなーと思います。
受付OKしているクリエイターさんは多い
クリエイターさんの二次創作受付可否のツイートはパターンがあります。
- 一次創作(クリエイター/クライアントのうちの子)のみ
- 上記+二次創作公認プログラム
- 上記+公式が二次創作ガイドラインでOKしていればOK
- 公式が二次創作ガイドラインで禁止してるのはNG
- 指定なし
総数が多いので全体の割合はわかりませんが、「一次創作のみ」よりは「+二次創作公認プログラム」のほうがやや多く、クリエイターさんの認知度は高い印象です。
前述2つに比べると「公式の二次創作ガイドライン~」はやや少なめ。単純に調べるのが手間(クライアントによってURL添付する/しないがある)なのとガイドラインの解釈に困る場合があるからでしょうか。
なお、指定なし(二次創作OK)としているクリエイターさんに依頼する場合も公式の二次創作ガイドラインがあればそれに従う必要があります。
二次創作については必ず各作品の二次創作ガイドラインに従ってください。
適用されないケースについて
公認の有無についてのツイート。公認プログラムへの参加についてではなく、登録した上での「依頼個別の適用有無」の話です。
なぜコンテンツホルダ以外が公認の有無を知ることができない理由は、コンプライアンスの関係でNSFWの収益を受け取れないコンテンツホルダさんがいるのと、悪いクリエイターが公認されたことを悪用しないようにするのと、作家さんをとにかく叩きたい人から保護する目的の3つ。
— なるがみ (@nalgami) May 28, 2019
色々考えなきゃいけないのは大変ですね……。
管理人が一番納得したのは「NSFWの収益を受け取れない」ところです。「全年齢作品がエロで儲ける」というのは確かに内外で問題になりそうですね。
関連する話で、東北ずん子は「摘発はしないけど公認もしないよ」というスタンスで対応策を出しています。素敵。
参考:コッショリとは (コッショリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
依頼文について
「依頼文を解析して自動判定」なので、登録作品一覧に記載されている名称を書いておけば間違いないと思います。
略称の判定は怪しいかも
例えば『東北きりたん』を「きりたん」と略すと適用されないかもしれません。AIが「きりたんのイラストください!」と「きりたんぽのイラストください!」を区別できるかわかりませんので。
シリーズ名とかチャンネル名も怪しいかも
東北ずん子関連は『東北きりたん』や『四国めたん』のようにキャラごとに登録されているのですが、そうでない作品があります。
例えば『VenusBloodシリーズ』。シリーズ作品なのでタイトルが複数ありますし、わざわざ「〇〇シリーズ」と書かず省略する人が多いのではないでしょうか。おそらく「VenusBlood」で判定してくれるとは思いますが……。
もうひとつ『命数人形シリーズ』という作品(?)。リンク先は『ソルトちゃんねる』というYouTubeチャンネルです。
概要欄に「命数人形」という言葉が出てこないのですが、企画・渉外担当の日辻ひこさん(@Mareep15)によると世界観などを含めたオリキャラの総称のようです。
命数人形というオリキャラ群がおりまして、今がんばって世界観とかキャラデザとかを詰めています。
ソルトも命数人形です。
いつかまとめサイトとか作りたい。— 日辻ひこ (@Mareep15) October 25, 2021
「ソルトちゃんのイラスト描いて!」をAIに判定しろというのは無理がある気がします。「VTuberのソルトちゃんのイラスト描いて!」ならいけるでしょうか?「命数人形のソルトちゃんのイラスト描いて!」が確実な気がしますね。
ちなみに日辻ひこさんはSkebクリエイター(日辻ひこ (@Mareep15) | Skeb)でもあります。
QAリスト
思いついたら追加。
「ファンアート」ってあるけど、イラスト以外は適用されないの?
されるはず。
二次創作公認プログラムの開始当時、募集できるのはイラストのみでした。その後にボイスなどが募集可能になています。
なので、ボイスやムービーなどでも適用されると思います。
2019/06/07に二次創作公認プログラム開始。
本日より二次創作公認プログラムを開始させていただきます!
概要▶︎https://t.co/45ZabcOOJZ
作品一覧▶︎https://t.co/WnM5Ae6izF
公認ファンアート 描いて応援!キャンペーン▶︎https://t.co/VrkZ0Ek0Uv— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 6, 2019
2019/10/01にボイス募集をリリース。
Skebでボイスの募集が可能になりました! https://t.co/90Vr1RJ8NX
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) September 30, 2019
登録作品ページのイラストのキャラは誰?
二次創作公認プログラム 登録作品 のトップの画像のことです。左から順に、
管理人は社畜ちゃんだけ知りませんでした。登録作品のリンク(上記と同じ)で飛ぶKADKAWAのページは社畜ちゃんBlogの書籍化作品のようです。
「社畜ちゃん」はビタワン(@vitaone_)が作ったオリジナルキャラクターです。
「社畜ちゃん」は働く人を馬鹿にしたり、揶揄するするような意図はありません。
働いてる人、またはこれから働く人が読んで、元気が出るようなお話作りを心掛けています!

メモ
それぞれの取り分
新手数料は画像の通りです。二次創作公認プログラムの開始を記念し、6月7日から7月31日までの期間中、公認作品のリクエストを送信した方、納品した方の双方で8月中の手数料が半額となる「公認ファンアート 描いて応援!キャンペーン」も併せて開始します。お楽しみに! pic.twitter.com/PzU2HmlpCg
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 6, 2019

手数料の割引や無料キャンペーンで不足分があるときは運営が負担しているのでしょうか?言及するツイートは見つかりませんでした。
原著作者が絡まない「ファンアート」が対象
二次創作公認プログラムはファンアートが対象となるため、原著作者または関係者の方がご依頼された、または製作されたイラストには適用されません。また6月中旬より本プログラムの対象となるファンアートをリクエストされた方、納品されたクリエイターの方向けのキャンペーンを予定しています。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 1, 2019
新規登録基準(審査基準)
概要ページに記述はありません。申し込みフォームで表示されるようです。
また本日より、二次創作公認プログラムの登録にあたり必要な審査条件を一部変更させていただきます。詳しくはお申し込みフォームをご確認ください。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) September 16, 2019
2020年の変更時は画像ツイートあり。
本日より二次創作公認プログラムの新規登録に関する基準を下記のように変更させていただきます。
ご登録いただいたvtuberさんについて、引退されてご連絡が不通になるなど管理コストが増加しており変更させていただく運びとなりました。
ご理解とご協力をお願いいたします。https://t.co/WnM5Ae6izF pic.twitter.com/Iu0Ekqc3d6— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) September 16, 2020
変更前はかなり緩かったのでしょうか。
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