Skebでの二次創作についての読み物記事です。
目次
はじめに
非常にセンシティブな話題です。あちこちのサイトやツイートから引用し、管理人の個人的な意見や感想を述べます。
できるかぎり正確に解釈するように心がけてはいますが、誤った解釈を行う可能性があることはご承知おきください。
Skebと二次創作
利用規約・ガイドライン
利用規約の第7条 禁止行為から。先頭の2項が二次創作に関わるところです。
利用者は、本サービスの利用にあたり、次の行為を行なってはなりません。
- 第三者の著作物を二次利用する場合において、権利者利益を不当に害する行為
- 商標権、特許権等の知的財産権、名誉権、プライバシー権、その他法令上または契約上の権利を侵害する行為
出典:利用規約 | Skeb 引用日付:2021/11/15
「二次利用」は二次創作とイコールではありません。
ここで禁じているのは著作物をそのままコピーしたり公式を詐称・誤認させるなどした海賊版の方がメインだと思います。直接的な二次利用ですね。

二次創作は著作物を間接的に二次利用して、独自の創作性を加えたものになります。
もちろん、やり方次第で「権利者利益を不当に害する」ことにはなりますが。
第7条の重要なポイントから。
二次創作については各作品の二次創作ガイドラインに従ってください。
出典:利用規約 | Skeb 引用日付:2021/11/15
これはクリエイターとクライアントの両ガイドラインにも赤字で書かれています。
公式のガイドラインがあればそれに従いましょう。
ポイント
- コピー品や海賊版は禁止。
- 各作品の二次創作ガイドラインに従うこと。
ちなみに規約やガイドラインでは「二次創作公認プログラムとは何か」についての記述はありません。
「原著作者がファンアートを二次利用できる」とか「判定に依頼文を使っている」といった記述のみです。
上部に二次創作公認プログラム 概要のリンクがあるので、そっちを見てねということだと思います。
Skeb公式のTwitter
2019年でちょっと古い&長いですが、Skebの二次創作に対するスレッドから。
二次創作についてお問い合わせをいただくことがありますが、権利者以外が二次創作の可否を決めることは、同一性保持権の侵害であると考えており、サービス内の表現の自由を不要に制限しないためにも、一律に禁止するようなことはしません。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) February 8, 2019
コミッションは日本では知名度が低く、二次創作ガイドラインを出されている作品でもコミッションについて言及されているケースは少ないかと思います。活動範囲・規模から鑑みて同人活動を許容されている作品であれば概ねのものは問題はないと考えていますが、無論自己の責任の元に行なってください。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) February 8, 2019
プロバイダ責任制限法に基づき、正当な権利者の方からのお申し立てにつきましては速やかに対応させていただきますが、第三者の方からの情報に基づき削除させていただくことはありません。また個別の可否の判断を運営で行うことはできませんので、運営へのお問い合わせはお控えいただければ幸いです。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) February 8, 2019
軒並み国内のCGMサービスと同様の対応で恐縮ですが、今後二次創作のコミッションを受けたいとお考えの方のご参考になれば幸いです。
サービスの規模が大きくなれば、例えば特定の二次創作のコミッションの場合、金額の一部を原作者の方に還元するような公認二次創作の取り組みもやっていきたいですね。— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) February 8, 2019
規約やガイドラインと合わせてまとめると、
ポイント
- サービスとして二次創作を禁止はしない。
- ただし二次創作ガイドラインに従うよう求める。
- 正当な権利者からの申し立てには対応する。
- 非権利者(Skeb自身とユーザーを含む第三者)からの情報や判断で対応はしない。
といった感じです。
また、「金額の一部を原作者の方に還元するような公認二次創作の取り組み」が現在の二次創作公認プログラムとなります。
コミッションの知名度は低いが、有償リクエストは広がっている
コミッションは日本では知名度が低く、二次創作ガイドラインを出されている作品でもコミッションについて言及されているケースは少ないかと思います。活動範囲・規模から鑑みて同人活動を許容されている作品であれば概ねのものは問題はないと考えていますが、無論自己の責任の元に行なってください。
2019年当時と比べ、だいぶ状況が変わっています。
コミッションという言葉は使っていませんが、2020年9月にPixivリクエストがリリースされました。
Skebリリースから約2年です。
【新機能リリース】
pixiv新機能「リクエスト」が公開🎉
クリエイターはイラスト/小説/マンガ/うごイラのリクエストをpixivで募集可能。
さらに複数人のファンが同額を上乗せしてみんなでクリエイターを応援できる「相乗り」機能も!
🎁詳しくはコチラ🎁https://t.co/m3XsCW9dQD#pixivRequest pic.twitter.com/LKokAOLVpf
— pixiv (@pixiv) September 30, 2020
最初は正直どうかなーと様子見していましたが、1年以上経った現在ではSkebと掛け持ちだったりPixivだけ受け付けているクリエイターさんも多くいて、定着した感があります。
相乗りシステムは今でも正直どうかと思いますが、プランや募集要項の提示ができるなど差別化がうまくいっているのでしょうか。
他にもmehanaやポイピクのエアスケブ機能など、Skeb方式に近いサービスが続々と生まれています。
日本ではコミッションという言葉まだ馴染みが薄いように思いますが、有償リクエストはだいぶ広がってきました。
また、二次創作ガイドラインでコミッションへの言及も見かけるようになってきました。これについては後ほど。
規模は大きくなったが、まだ同人の範囲?
活動範囲・規模から鑑みて同人活動を許容されている作品であれば概ねのものは問題はないと考えていますが、無論自己の責任の元に行なってください。
Skebの一回の取引の上限金額は30万円です。
これはサービス開始から変わっていません。
※一度50万円にあがりましたが、チャージバック被害が多くてすぐ戻りました。
一方、登録者数は増加を続けています。
総リクエスト数が40万件、クリエイター登録者数が7万人を突破しました🎉
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) July 25, 2021
Skebは総リクエスト数50万件突破しました🎉
承認・納品済リクエストは約34万件(取引高は約40億円)でリリースから2年と10ヶ月でした。
この前手数料無料やったばかりだけど、50万件は節目なのでまた手数料無料キャンペーンやります!
開催期間短めなので今回事前告知しました。https://t.co/9U5g1JXNyp— なるがみ (@nalgami) October 20, 2021

とはいえ、これでも同人界隈全体と比べたら微々たるもので「同人活動を許容されている作品であれば」はそのままかなーと思います。
参考として、コロナ禍のもと開催のコミケ99(2021年末)は「約1万サークルが参加し、約5万5000人の来場者を予定」でした。
なるがみ氏のTwitter
Skebの創始者(=開発者)のなるがみ氏。元ドワンゴのエンジニアでニコニ立体の開発者などの経歴があります。
二次創作公認プログラム開始前の2019年前半に、二次創作への見解を綴ったツイートが多くありました。
Skebでの二次創作の可否についてはこのツイートで足りると思います。
二次創作は禁止ではありません。コミッションの可否については各作品のガイドラインに従ってください。例えばUNDERTALEではパトロンはNGですがコミッションはOKといったガイドラインが設定されています。
— なるがみ (@nalgami) November 22, 2018

多すぎなので権利者関連のツイートに絞って取り上げます。
二次創作が原作に貢献しているとかは詭弁で99%のコンテンツホルダにとっては本当にどうでも良くて、不利益を被らない(原作流通の妨害、ネガティブイメージの増進)限りは棚上げしておきたい(対応コストがかかるし、一度公した見解に縛られてしまう、不利益を被った時に柔軟に対応したい)
— なるがみ (@nalgami) February 13, 2019
その二次創作をどうするか決める権利も著作権のひとつである同一性保持権の範疇であるし、何よりも炎上によって原作にネガティブイメージがつくことがリスク。拡散希望とか問題提起とか取り下げろとか強要せずにそっとしておいて欲しいのが本音だった。個人で見つけられるものは会社でも把握してる
— なるがみ (@nalgami) February 13, 2019
二次創作の公認化によって、非権利者が二次創作の良し悪しを決めて燃やすタイプの攻撃は激減するだろうけど、非公認販売の概念が生まれて「公認を得ていない場(即売会や自家通販サイト)で売るとは何事か」って感じで作家さんを攻撃するパターンが増えそうだなと思っている。
— なるがみ (@nalgami) April 3, 2019
個人で東方の二次創作もやってたし、前職では版権管理やってたし、今はプラットフォーマーやってて三者全部の立場を経験したけど、作家さんの個人攻撃の材料にIPを使われるケース、燃やしたい人以外の全員が不幸になるので、公認化による最大のメリットはそういう人を生まない構造になることだと思う
— なるがみ (@nalgami) May 27, 2019
コンテンツホルダにとって二次創作は、競合商品を作ったり同じ流通に出して邪魔してこない限りは本当にどうでも良くて、一番頭を抱えるのは炎上の材料に使われて原作の検索のサジェストに出てきたりネガティブイメージがつくことだった。権利者以外がなんで著作権行使してるんや!って気持ち
— なるがみ (@nalgami) May 27, 2019
二次創作がOKかNGかを決める権利は原作者だけが唯一持つ著作権の一部だし、白黒つけるのは対応コストが伴うので黙認をもって回答とすることの方が多い。ライツ部は大抵のことを把握していて、競合しないし対応することのデメリットの方が大きいから無視してる。やばい案件は大きくなる前に対応してる。
— なるがみ (@nalgami) May 27, 2019
個々の二次創作が公認されているかどうかを第三者が知る手段を提供する必要はないので、プラットフォーマーとコンテンツホルダの二者だけが状況を把握できる感じになる。どれを公式が認知したとか拒否したとかをパブリックにする必要はない
— なるがみ (@nalgami) May 28, 2019
ポイント
- 公式は見てる。
- 権利者は二次創作が原作に貢献してるかはどうでもいい。
- 不利益があれば対応するし、無視や黙認も対応のひとつ。
- 炎上の材料に使われるほうがデメリットが大きい。
なんというか、コンテンツホルダー(原著作者)から怒られた話は見当たりません。
非権利者が二次創作クリエイターやコンテンツホルダーを攻撃・炎上させることのツイートが多いです。
好ましい呼び方ではありませんが、自治厨・正義マン・お気持ち警察とかのことでしょうか。
なるがみ氏のツイートだけを見て「二次創作は権利者に認められてる!ユーザーが文句言うな!」などと言う気はありません。あくまで一個人の意見として受け取っています。
ただ、「権利者ならこう考えているはず」と勝手に想像、言い方を悪くすれば妄想を膨らませるよりは、権利者の近くで仕事をされてきた人の意見のほうが参考になると思います。
特にこれ。
個人で見つけられるものは会社でも把握してる

私も暇があればネットに入り浸っているので勘違いしそうになりますが、現代のメディア・エンターテイメントに関わる企業が、そこらの人間よりネットに疎いわけありませんよね。
Skebクライアントとして

私はクライアントユーザーなので、クライアントが二次創作をリクエストするときのことを考えてみます。注意点とか判断ポイントです。
シンプルに2点。
ポイント
- 作品の二次創作可否の確認
- クリエイターの二次創作可否の確認
順番はどちらでもいいのですが、私は作品のほうが先。
作品の二次創作可否の確認
公式がダメと明言してたらNG、それ以外はOKのスタンスでいます。

判断基準はこんな感じ。
基準
- Skebの二次創作公認プログラムの対象であればOK
- 作品の規約・二次創作ガイドラインでコミッション不可ならNG
- 作品の規約・二次創作ガイドラインに解釈が必要なら検討
- 作品の規約・二次創作ガイドラインがなければOK
やはり問題になるのはNGと明言していない、解釈の余地がある場合です。これはケース・バイ・ケース、臨機応変にとしか言いようがありません。
詳しくは後ほど、二次創作ガイドラインのところで。
クリエイターの二次創作可否の確認
Skebは独自のプロフィール機能がないため、他所で確認する必要があります。
幸いにしてSkebクリエイターの100%がTwitterユーザーで鍵垢はいないのでTwitterで情報を探せます。
おそらく二次創作可否についてのツイートもSkebでは非推奨行為なのでしょうが、そこは大目に見てもらうということで……。
私がよくやるのは「from:[ID] (skeb OR スケブ)」で検索です。
これで「指定した人の"Skeb"か"スケブ"を含むツイート」が検索できます。四六時中Skebについて呟いている人は少ないので、受付の条件に関するツイートを探しやすいです。
なるがみ氏(@nalgami)で検索するときの例:from:nalgami (skeb OR スケブ) - Twitter検索 / Twitter
ちなみにクリエイターさんの二次創作可否はだいたい以下のパターン
パターン
- 一次創作とオリキャラ(うちの子)のみ
- 上記+二次創作公認プログラムの作品
- 上記+二次創作ガイドラインでOKの作品
- 指定なし
Skebの規模も大きくなって全体の傾向はわかりませんが、どのパターンもそれなりの割合でいる印象です。
個人的には2.がOKなら3.も「二次創作ガイドラインで許可出てる作品です」と書いてURLを添えればリクエスト通るんじゃないかな、と思います。
大事なのは4.の指定がない、あるいはそもそも言及がない場合。
これは過去の納品を見つつ、リクエストするだけしてみるのが良いかと思います。
キャンセルされたときに理由の通知はありませんが、条件付き再送依頼が来たり、空リプで理由をツイートされたりするかもしれませんので。
補足:一次創作者
漫画家さんがご本人の作品のイラストを納品しているのをたまに見かけます。
これは出版社には出版権というものだけを渡して、著作権は漫画家さんが持ったままなのが一般的だからだそうです。
逆にお断りツイート(空リプ)をよく見るのは「ソシャゲ絵師は担当キャラを描けない」ケース。
これは著作権を開発/運営会社に譲渡するのが一般的だったり、担当キャラを個人で描かない契約をしていたりするからだそうです。
「運営が公式絵師にコミッションを認めている」ようなレアケースを除いて、基本的には断られるものと思っておいたほうが良さそうです。
補足:シャドウバン
2021年の春夏くらいからでしょうか、スケベ絵を投稿しているクリエイターさんがTwitterからシャドウバンされているのを見かるようになりました。
シャドウバンにも色々タイプがあるようですが、検索にでないタイプは上記の検索する方法は使えません。
そうすると普段からTLを見ておくか、頑張って遡らなければなりません。

確認できたら
作品とクリエイターさん、どちらもOKならリクエスト可です。
どちらか、あるいは両方がNGであれば残念ながら諦めて他を探しています。

二次創作ガイドラインなどの例
最後に、いくつかの作品の二次創作ガイドラインや公式の見解を紹介します。
ソシャゲ多めですが、管理人はソシャゲあまりやらないのでほぼ未プレイです。
芳文社
きらら系などの出版社。
公式サイトから。このガイドラインは昔からあって度々ネットで話題になっています。
芳文社はインターネット及びイントラネット上において、
当社の出版物を以下の行為に使用することを禁止しております。(省略)
・キャラクターの自作画(イラスト・パロディなど)を掲載すること。
(省略)
以上の行為は営利非営利の目的いかんに関わらず著作権等の権利侵害となります。
守っていただけない方には法的手段を講じることもありますので、ご注意ください。出典:画像使用・著作権について│漫画の殿堂・芳文社 引用日付:2021/11/14
自作画=二次創作イラストの禁止が明言されています。
ただ、これには補足があります。
話題が再燃したあるとき、公式サイドの人たちが見解を示したようです。
参考:芳文社や小学館などの二次創作禁止(?)ガイドラインの真相について、出版社の中の人が解説してくれました。 - Togetter
超要約すると
ポイント
- 規約は無視できないほど悪質なものへの予防で掲載している。
- ファン活動は許可できないけど禁止もしていない。
- うまくやってね。
ということのようです。なるがみ氏のツイートと通じるものがありますね。
クライアントはリクエストしてみてキャンセルされたら諦める、クリエイターは自己責任で受けるか判断する、というのが現実的な線でしょうか。

アズールレーン
アズレン。二次創作に寛容で有名なソシャゲです。

二次創作ガイドラインから。
★非営利/営利目的とみなす判断基準(2020/3/12加筆)★
個人または法人格のない団体は、非営利目的の場合において自由に二次創作物を制作していただいて問題ありません。
趣味の範囲で利用し、継続的な創作活動のための、原材料費や光熱費諸経費、ツール類など制作にかかった費用程度の対価・利益を得る場合においても非営利目的の範囲内とします。★個人または法人格のない団体が行うことができる非営利利用の例(2020/3/12加筆)★
・イラスト、フィギュア、人形その他の立体工作物の作成、展示、配布
・同人誌や二次創作デジタルコンテンツの作成、展示、配布、配信出典:「アズールレーン」二次創作・ゲーム実況配信及び動画投稿に関するガイドライン(2020/6/8改訂) 引用日付:2021/11/14
最近の改訂時のツイート。
【お知らせ】
「アズールレーン」二次創作に関するガイドラインについて、
昨今の二次創作全体に取り巻く環境と情勢を鑑み、下記の改訂を行いました。↓ガイドラインはこちら↓https://t.co/XKgimOCarB
改訂内容については下記画像にご参照ください。#アズールレーン pic.twitter.com/4cJJcYZ99W
— アズールレーン公式 (@azurlane_staff) March 12, 2020
ポイント
- 継続的な創作活動のための、原材料費や光熱費諸経費、ツール類など制作にかかった費用程度の対価・利益は非営利
- 同人誌や二次創作デジタルコンテンツの作成、展示、配布、配信は非営利
コミッションOKと明言されてるわけではありません。
Skebだと「継続的な創作活動のため」、「二次創作デジタルコンテンツ」でOKとなるかどうか。

現状、Skebから削除されたという話は聞きません。
ウマ娘 プリティーダービー
実在の競走馬をモチーフにしているため非常にセンシティブな作品です。
元々、公式から二次創作へのアナウンスがありましたが、この記事を書く数日前に二次創作ガイドラインが制定されました。
2018年6月20日に『ウマ娘において競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現は行わないよう』注意喚起をさせていただきましたが、現在著しく競走馬のイメージを損なう二次創作が見受けられます。
そのため馬名の管理会社様と協議のうえ、二次創作のガイドラインを改めて制定させていただく運びとなりました。本作品は実在する競走馬をモチーフとしたキャラクターが数多く登場しており、馬名をお借りしている馬主の皆様を含め、たくさんの方々の協力により実現しております。
改めて『モチーフとなる競走馬のファンの皆様や馬主の皆様、および関係者の方々が不快に思われる表現、ならびに競走馬またはキャラクターのイメージを著しく損なう表現』は行わないようお願いいたします。出典:二次創作のガイドラインについて | ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames 引用日付:2021/11/14
ガイドラインから。
具体的には「ウマ娘 プリティーダービー」において、以下の条項に当てはまる創作物の公開はご遠慮ください。
1.本作品、または第三者の考え方や名誉などを害する目的のもの
2.暴力的・グロテスクなもの、または性的描写を含むもの(省略)
本ガイドラインは馬名の管理会社様との協議のうえ制定しております。
上記に当てはまる場合、やむを得ず法的措置を検討する場合もございます。出典:二次創作ガイドライン | ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames 引用日付:2021/11/14
ポイント
- 競走馬のイメージを損なう二次創作を問題視。
- 馬名の管理会社と協議してガイドライン制定。
- エログロ、暴力の描写禁止。
「暴力的・グロテスクなもの、または性的描写を含むもの」の禁止が特に話題となりました。
エログロ、つまりR-18やR-18Gは明確に禁止です。
他の作品との違いはやはり「馬名の管理会社と協議」していること。
二次創作への対応がソシャゲの運営だけの裁量ではありません。
馬名が使えなくなることへの懸念があります。
クレカ決済会社がNG出すからモザイク濃くなったり伏せ字必須になったりの話と通じるものがあります。
よってウマ娘のNSFWはやめとけが私の意見です。
※Skebウマ娘のNSFW作品が削除されたというツイートも見かけました。が、これは本当かどうかわかりません。
一方で同人誌やコミッション、営利・非営利への言及はありません。
現状、Skebの健全リクエストなら黙認されているようです。
あんさんぶるスターズ!!
あんスタ。女性向けのアイドル育成ゲームです。
TwitterでSkebと絡めて話題になっているのをよく見かけたので取り上げます。
運営会社のガイドラインから。
当ガイドラインは日本国内を対象とし、個人・集団・法人の区別なく適用されますが、商業活動・営利活動への当社ゲームコンテンツの利用については、別途お問い合わせをお願いいたします。その際に当社は、活動の結果として金銭的収益が発生すること、または発生する可能性のみをもってただちに商業活動・営利活動とはみなしませんが、利用の状況等から当社が後に商業活動・営利活動への利用に該当すると判断する場合には、当社は当社ゲームの利用に関して条件を付けさせていただくことや、利用を制限させていただくことがあります。このような場合には、当社の指示・条件・制限に速やかに従ってください。
(省略)
① 二次創作について
非営利目的の場合においては、自由に二次創作物を制作していただいて問題ありません。また、趣味の範囲で利用し、原材料費程度の対価・利益を得る場合においても非営利目的の範囲内とします。
非営利利用の例
- イラスト、フィギュア、人形その他の立体工作物の作成、展示、配布
- 同人誌の作成、展示、配布
(省略)
なお、下記の作品に関しましては、本ページのコンテンツ利用ガイドラインに加え、当該タイトル固有のガイドラインが定められております。
『あんさんぶるスターズ!!』
本ページのコンテンツ利用ガイドラインと併せ、当該ゲームタイトルのガイドラインもご参照いただき、その両方の遵守をお願いいたします。なお、その際にガイドライン同士の内容が食い違う場合には、当該ゲームタイトルのガイドライン が優先して適用されます。
出典:コンテンツ利用ガイドライン | Happy Elements株式会社 引用日付:2021/11/14
『あんさんぶるスターズ!!』のガイドラインから。
Q 【Basic/Music共通】二次創作を発表しても良いですか?
A Happy Elements株式会社のコンテンツ利用ガイドラインの全内容をよく読んだうえ、『あんさんぶるスターズ!!』のコンテンツ利用ガイドライン記載とあわせて遵守いただく限りにおいて、認めております。ガイドラインに違反する二次創作活動・二次創作作品であると当社が判断した場合、作品公開の差し止めをお願いすることや、コンテンツの利用を制限させていただく場合があります。(省略)
Q. 好きなイラストレーターの人にお金を払ってイラストや漫画を描いてもらっても大丈夫でしょうか?
∟ A. 依頼に基づいて有償で行われる二次創作(通常の業務委託のほか、有償のリクエスト、コミッション等が該当しますがこれに限りません)については、金額および当該著作の権利帰属先を問わず、また事後的に同人誌へ再録される予定の作品であっても、営利目的とみなします。同様に、閲覧に際して有償の会員資格等を要する形態での二次創作(クリエイター支援サービス、パトロンサイト、ファンクラブ、クラウドファンディング等を指しますがこれに限りません)についても、金額およびその支払い形態が一時的か継続的かを問わず、営利目的とみなします。ただし、同人誌の発行にあたってその一部範囲に参加し、当該同人誌の売上分配を一定割合で受け取ることや、売上分配に代替するものとして合理的・一般的と考えられる程度の原稿料等を受け取ることについては、営利目的とはみなしません。
(省略)
(2021年11月10日の改定内容に抵触する場合、改定以前に参加申し込みを完了しているイベントなどについては不問といたします。)
(有償で会員限定向け公開等を行っている場合は、可能な範囲ですみやかに掲載終了もしくは一般公開に変更ください。)出典:よくある質問 | SUPPORT | あんさんぶるスターズ!! 引用日付:2021/11/14
「よくある質問」という体ですが、非常に細かくしっかりした内容でした。改定前のイベントや有償公開の扱いについても触れています。
ポイント
- 運営が営利活動と判断したら、差し止めなどの対応する場合あり。
- 有償依頼の二次創作は営利目的。コミッションはこれに該当。
有償依頼はすべて営利目的とみなされます。ガイドラインに違反する二次創作活動になります。
運営会社のほうのガイドラインからすれば「許可を取ればOK」ですが、まあ無理でしょう。
「当該著作の権利帰属先を問わず」のところは著作権がクリエイターに帰属するSkebやPixivリクエストを意識したものでしょうか。

毎日こつこつ俺タワー
工具や重機の擬人化ソシャゲ。
ガイドラインは無い(というか公式サイトがろくに情報なし)ようですが、たまたま見かけた公式のツイートから。
公式イラストレーター様からファンアートについてのご質問を頂きましたので、見解を公表させて頂きます。#毎日こつこつ #俺タワー pic.twitter.com/EnyMg8z00W
— 「毎日こつこつ俺タワー」開発/運営 (@MYOLE_STAFF) November 12, 2021
まさかの名指しで「公式絵師のSkebはOK」でした。ただ、全年齢作品なのでNSFWリクエストは断られるかもしれません。
末尾に懸念が書かれていますが、良い事例になってくれることを願っています。
miHoYo
『原神』、『崩壊3rd』などのソシャゲの開発/運営会社。

ゲーム全般の二次創作ガイドラインから。
1 対象者について
個人または法人格のない団体は、非営利目的に限り、当社らのゲームを題材とした二次創作物の制作、展示、頒布および公開をすることができます。(省略)
2 非営利目的の判断基準
個人または法人格のない団体が、利益を得ることを目的とせずに二次的著作物を制作する場合、非営利目的とみなします。また、趣味の範囲で利用し、原材料費やツール類など制作にかかった費用程度の対価・利益を得る場合も非営利目的の範囲内とします。3 二次創作活動の許可範囲
(1) イラスト、マンガ、小説などの同人誌・同人グッズ・デジタル作品の制作、展示、頒布(電子版含む)、公開(省略)
4 禁止事項
(1) 有償無償に関わらず、事業性の高い営利目的での利用(省略)
出典:二次創作に関するガイドライン 引用日付:2021/11/19
ポイント
- 制作にかかった費用程度の対価・利益を得る場合も非営利。
- デジタル作品も許可。
- 事業性の高い営利目的での利用は禁止。
アズレン同じような印象です。コミッションについての言及はありません。
「費用程度の対価・利益を得る場合も非営利目的の範囲内」が微妙なところです。
しかし「事業性の高い営利目的を禁止」があることで、逆に「クリエイターの支援」を謳っているSkebは黙認されるのではないか、というのが私の意見です。

原神
miHoYo運営のSNS『HoYoLAB』で原神の運営チームがガイドラインを発表しています。英語記事かつ長いです。
参照:Important Information on Merchandising Authorization - miHoYoプレイヤーコミュニティ
二次創作の可否というより、もう一歩踏み込んだ「二次創作の作品の販売」についてのガイドラインでした。
ニュースサイト『GIGZAZIN』に翻訳があるので引用はそちらから。
そして、原神に関する二次創作の作品を販売したり頒布したりする上で守るべき二次創作のガイドラインを別途設け、HoYoLAB上で発表しました。原神の運営チームが発表した二次創作ガイドラインは以下の通り。
(省略)
◆3:商品の生産
1:ファン同士の交流による「ライトホビー商品」の製作はグループや個人に許可されるものであり、現時点では金銭的制限や事前許諾の必要はありません。2:グループがオンラインで作成および販売するライトホビー商品は、商品の数量が200ユニット以下の場合、事前許諾を申請する必要はありません。200ユニットよりも多くなる場合は、公式チャンネルによる事前許諾の申請が必要です。
3:個人がオンラインで作成および販売するライトホビー商品は、商品の数量が500ユニット以下の場合、事前許諾の必要はありません。500ユニットよりも多くなる場合は、公式チャンネルによる事前許諾の申請が必要です。(省略)
原神公式は「ライトホビー商品」の例として、同人誌や二次創作イラストやマンガ、ぬいぐるみやクッションなどをあげています。ガイドラインをまとめると、小説やマンガなどの二次創作のライトホビー商品は営利・非営利を問わず許諾不要で頒布が可能ですが、規定ユニット数を超える場合は事前許諾が必要となります。
ポイント
- 二次創作イラストや漫画はライトホビー商品。
- 営利・非営利を問わず許諾不要で頒布可。
- ただし既定ユニット数以上は事前許諾が必要。個人は500ユニット。
数量制限の話が主ですね。金銭的制限はありません。
1対1の取引になるSkebはセーフでよいかと。
上記は英語アカウント(Genshin Impact Official)によるもので、日本語アカウント(原神公式)も別にあります。今後、そちらからも日本語で発表があるかもしれません。
おまけ:プリニー店長のお言葉
Skeb公式のツイートで触れてた、「二次創作について正当な権利者から申し立てがあれば対応します」という話に関連して。
実況動画について、プリニー店長(公式サイドの人)のツイート。
いただきたいッス。
とか言うと
「何で企業はOK?」「金もらったのか?」「媚びるな」等の邪推を生むので、補足いたしますッスね。結論から言うと、
「企業勢は会社が責任をとってくれるから」ッス。弊社が配信を承諾している相手は、担当間でやり取りがある見知った会社のみッス。
ですから(続
— プリニー店長 (@shop_prinny) August 2, 2020
もし問題があればすぐに対応してもらえる信頼がある次第ッス。
初めて相談を受けた会社様でも、相手の会社情報を獲れば実情は簡単に知れるッスしね。
対して個人の方は、心苦しいのですが、完全に一から関係を築かなればならず、有事の際の保証も不明瞭。
一人一人対応するのは非現実的ッス。(続
— プリニー店長 (@shop_prinny) August 2, 2020
ポイント
- 企業勢は承諾することはあるが、個人勢は黙認。
- 企業勢は企業が責任取ってくれるから。
同人誌や同人グッズなどで、版元から個人(同人サークル)へ販売差し止めの連絡が来るケースがあります。FF14の料理レシピ本とか。
ただこれは、同人イベントで頒布やショップへの委託など、複数の場で展示や販売の継続や予定があるからかな、と。
Pixivへの投稿やDLsiteに出品している場合は、版元から運営に連絡が行き、個人へは「権利者申し立てで削除しました」の報告だけが一般的のようです。
個人相手にいちいちやるより、企業同士で話をつけて一括対応させるほうがコストも掛からず確実でもあるのでしょう。
Skebに二次創作を納品したとしても「ある日突然、企業から訴訟・逮捕される」というのは杞憂だと思います。
ゼロとまでは言い切れませんが、少なくとも一回目はSkeb運営に申し立てが行き作品削除で手打ちかと。

逆にSkebの範囲でどんな二次創作をしたら訴訟沙汰になるのか。
ちなみに権利者から申立があった場合のSkebの対応の詳細はわかりませんでした。
作品の削除は確実。運営からクライアントへ返金もされるかも。
クリエイターの売上の扱いが不明。
参考として、規約違反だと売上没収。ただし出金済みだとマイナス表示になって、次回以降の納品から引かれるらしいです。
まとめ
- Skebは二次創作禁止ではない。
- 禁止、差し止め、黙認などの対応は権利者が決めること。
- Skebユーザーは二次創作ガイドラインがある作品はそれに従う。なければ各自の判断と責任で。
Skeb運営というか、なるがみ氏はお気持ちルールや風潮(特に、根拠もなく他人に縛りを押し付けるもの)を嫌う傾向にあるようです。
有名な「打ち合わせ・リテイク禁止」に限らず、Skebは「サービスの規約としてルールの明確化」を徹底しています。
それでもやっぱり二次創作は本当にセンシティブな話題です。
二次創作についてのなるがみ氏のツイートはたくさん引用しましたが、Skeb規約自体はあっさりしたものです。
版元・作品ごとにスタンスが多様すぎて仕方のないことですが……。
「公式が思っていること」は大事ですが、第三者の想像・妄想では当てになりません。よくて参考程度です。

何よりも「公式が言っていること」を知ることが一番大事だと思います。
この記事がそのきっかけになれば幸いです。
二次創作についての記事は以上となります。

関連記事:
-
【Skebコラム】二次創作ガイドラインまとめ
ゲームメーカーやソシャゲ運営が公開している二次創作ガイドラインのまとめ。
ガイドラインの記事リンク・外部リンクはこっちにまとめました。
更新履歴
2022/04/19:ガイドライン記事のリンクをまとめ記事へ移動。
2022/04/23:大幅改訂。
2022/08/28:見出しごとの画像挿入をテスト実施。この記事が当ブログで一番人気。