2022年6月10日。こんなお知らせが来たよという話。
目次
概要
『Skeb Coin』という暗号資産が作られます。
2022年9月に発行や取引開始を目指し、Skebでの支払い以外にも新規サービスを開発中、他社サービスにも対応予定。
暗号資産、少し前までは仮想通貨って呼んでましたね。最近は暗号資産・暗号通貨・クリプトなどと呼ぶみたいです。
記事内容はツイートもされています。公式はこのスレッド。
Skebは表現の自由のための新たな決済手段としてブロックチェーンを活用した「Skeb Coin」の発行と9月に国内暗号資産交換所への上場を目指します。https://t.co/04fqtxwc5R
また皆さんに安心してSkebをご利用いただくために、Skebは今後もNFTに関する事業に関与する予定がないこともお知らせします。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 10, 2022
なるがみ氏のツイート。
表現の自由のためのユーティリティトークン「Skeb Coin」発行に向けた3社間覚書締結のお知らせhttps://t.co/aiUxOrbZCd
このツイートが発端。表現の自由が担保された決済を誰も作らないなら自分で作ろとなり、カイカエクスチェンジさんにご協力いただき国内取引所に9月上場を目処に動き始めました! https://t.co/bEb4wTYHrJ
— なるがみ (@nalgami) June 10, 2022
いくつかピックアップして見ていきます。
表現の自由
この言葉、最近よく聞きますね。
クレジットカード会社の表現規制
2021年にクレカ会社が表現規制をした事実が発覚。
海外プラットフォーマーによる表現の規制が問題となっている昨今、2021年2月に大手クレジット会社から複数の出版社に対して、商品の表題に「○○殺人事件」等の特定の表現がある商品では、クレジット決済が取り扱えなくなる旨の通知があった事実が発覚し、参議院議員により問題提起が行われました。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 10, 2022
シリーズ丸ごと消滅するミステリ作品もあるのでは…。
参議院議員の件はググったらすぐ出てきました。山田太郎議員のツイートです。
2021年2月より新たに大手クレカ会社から複数出版社に対して商品表題に特定の表現がある場合扱えなくなる旨通知が。「○○殺人事件」等のマンガや小説も引っ掛かると相談が関係者から多数。表現の自由とカード決済会社を含むプラットフォーマーの在り方について関係府省、また党内で検討を続けています
— 山田太郎 ⋈(参議院議員・全国比例) (@yamadataro43) February 21, 2021
大手クレカ会社。まあVISAかMastercardでしょうね。
カード会社の縛り回避で、暗号通貨について議論しているというツイートは半年以上前にありました。
Skebではクレジットカード会社の影響を受けない支払い手段として暗号通貨には非常に関心があり、運営内で議論しています。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) October 12, 2021
裏でしっかり進めていて、今回の発表に至ったようです。
表現規制は日本国内のもの
「海外の価値観ではなく、日本の法令の範囲内で」
海外の価値観ではなく、日本の法令の範囲内で表現の自由が担保された決済手段としてブロックチェーンに注目したユーティリティトークンがSkeb Coinです。
クリエイターの皆さんにとって、創作活動をする上で「表現の自由」が非常に重要な価値を持つことは、改めて言うまでもありません。— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 10, 2022
海外のエロでNGといえば獣姦とか。
ただし「実在動物のみ」という妙な縛りがあるそうで、馬はNGでもユニコーンやペガサスはOKなんて話を聞きます。
日本のアニメを海外配信する際に規制が入ったって話も。
キャンディを咥えたサンジとか、スパッツ着用の女型の巨人とか。
なんとなく理解できるものから意味不明なものまで様々ですが、規制を受けずに済むならそれがいいです。
一方で日本の法令。これはやっぱりモザイクですね。
Skeb Coinで支払いになってもモザイクは現状通り。良くも悪くもです。
ちなみにモザイクはクリエイター登録が国内限定の理由のひとつにも挙がっていました。
複数枚対応は差分が当たり前になって気軽さが失われるのを防ぐためで、海外クリエイターの登録を受付していないのはモザイクについて理解してもらうのが大変なのとクレジットカードのチャージバックが爆増して手数料上げざるを得なくなるのと国際送金の手段がないから。
— なるがみ (@nalgami) July 13, 2020
Skeb Coinが使えるサービス
チップサービスを開発中
新しいサービスを作ってるらしいです。
Skeb Coinを用いて、既存のSNS上でクリエイターへの投げ銭が可能となるチップサービスを開発中です。
Skebアカウントは不要であり、Skebが定めていた「打ち合わせ禁止」等の制約はチップサービスにはなく、クリエイターの皆さんがより自由で気軽に投げ銭やコミッションが可能となる予定です。— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 10, 2022
どういうサービスになるんでしょうかね?
メールやDMの直接依頼、お題箱やマシュマロといったリクエスト・支援サービスを混ぜて改良した感じ?
他社サービスでも使える予定
「〇〇ペイ」の一種になるってことですかね。
また、Skebでの決済手段としてSkeb Coinが追加されることはもちろん、決済サービス「Zaif Payment」の決済可能資産にSkeb Coinが追加される予定で、個人開発者の方々やベンチャー企業が、自社の運営するWebサービスの決済手段としてSkeb Coinを容易に追加することができるようになる予定です。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 10, 2022
Twitterではオタク界隈で広く使えるようになったらいいなーって反応がありました。
また、なるがみ氏はニコニコ(ドワンゴ)やDMMを渡り歩いてる人なので、そのへんで使えたら便利そう。
エアドロップも検討中
「エアドロップ」は暗号資産の用語?
SkebとSkeb Coinは、機能も用途も目的も異なりますが、Skebがこれまで培ってきたクリエイターファーストのコンセプトとブランディングをSkeb Coinは継承しています。
今後、Skebの既存クリエイターと既存クライアントの皆さんに対してSkeb Coinのエアドロップ(無料配布)も検討中です。— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 10, 2022
表現の自由が担保された手段として普及させたい
「Skeb内で使えるコイン」ではなく「対応していればどこでも使える暗号通貨」です。
Skeb Coinが日本の創作業界に受け入れられるために、上記のような利便性を備えた中央集権的なサービスを導入事例として提供しつつも、暗号資産の移動に任意のプラットフォーマーが介在しないという非中央集権的なメリットを最大限活用し、表現の自由が担保された手段として普及させたいと考えます。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 10, 2022
この文章難しい…。
ニンテンドーストアとかPSNストアとか、専用コインは端数が出ると悩みます。(というか端数が出る設計になってるらしい?)
よそでも使えるのはいいですね。
NFTには「関与しない」
スレッドの一番最初のツイートで明言されていて、ニュースサイトの見出しにも。
スケブが暗号資産「Skeb Coin」開発へ “クレカの表現規制問題”に突破口 NFTには「関与しない」 - ITmedia NEWS
前からずっと「NFTやらない」と言っていましたが、暗号資産を採用ということであらためて宣言されてます。
また僕が責任者である間は「絶対に」SkebやポリゴンテーラーグループとNFTは絡めないので安心してください。
— なるがみ (@nalgami) June 10, 2022
補足説明
2022/06/12追加:
反響が大きかったからか、補足説明記事が出されました。
Skeb Coinに関する補足説明 - skeb_jp - Medium
Skeb Coinに関する補足説明https://t.co/cHJhNkT6ml
Skeb利用されているクリエイターとクライアントのみなさんがご心配されている点や、なぜ既存の暗号資産ではなくSkeb Coinを新規に発行するのか点につきまして、補足の説明をさせていただきます。
— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) June 12, 2022
冒頭部を引用。
Skebを利用中のクライアントのみなさんへ
Skebの決済を今後Skeb Coinだけに制限することはありません。Skeb Coinの導入と同時に、ビットコイン、モナコイン、銀行振込、コンビニ払いにも対応する予定です。
Skebを利用中のクリエイターのみなさんへ
Skebを利用する限りでは、クリエイターのみなさんは今まで通りリクエストの金額は日本円でやり取りしますし、どの決済手段が使われたとしても売上は常に日本円で受け取ることになります。
Skebを利用する限りでは、クリエイターのみなさんがSkeb Coinの価格変動のあおりを受けたり、税務処理が複雑になることはありません。出典:Skeb Coinに関する補足説明 - skeb_jp - Medium 引用日付:2022/06/12
と思ったら書いてありました。
今回Skeb Coinとは別に「Skebポイント」という前払式支払手段を導入することで、銀行振込やコンビニ払いに対応します。
出典:Skeb Coinに関する補足説明 - skeb_jp - Medium 引用日付:2022/06/12
便利かもですが、ややこしくなってきたなという印象。
おしまい
突然お知らせ発表されたSkeb Coinについてでした。
まだまだ不明・未確定な部分も多いです。続報を待ちましょう。
Skeb Coinはまだ開示できない話も多いので続報を待ってねん。3社の議論開始のお知らせということで。
— なるがみ (@nalgami) June 10, 2022
Skeb Coinのお知らせについて記事はここまでとなります。
追記:新サイバー条約について
新サイバー条約(正式名称は新サイバー犯罪条約?)についてのコメントを頂きました。
ちょうど数日前に山田太郎議員のYoutube動画で特集が組まれていたので、「何それ?」な方はこちらをどうぞ。
Skebユーザー的には「非実在児童ポルノ規制」が懸念ポイントです。
ロシア主導の新サイバー犯罪条約が国連総会の賛成多数で検討開始。現行条約(ブタペスト派)と違い留保条項無く表現規制や通信の秘密の制約に繋がる危険性があり。非実在児童ポルノ規制の義務化や通信の秘密が侵されぬ様強く要請。外務省、総務省、文化庁に表現の自由を守り抜く強い意志を改めて確認。 pic.twitter.com/jw6vS4pVWL
— 山田太郎 ⋈(参議院議員・全国比例) (@yamadataro43) March 2, 2022
動画内でも語られていますが、ロシア主導の条約が今の世界情勢の中で進んでいくのがなんとも…。