だから誤判定がある。
だから判定がブレる。
という疑問について。
SkebはNSFW(≒エロ)作品に不明瞭化処理が必要です。処理方法は色々ありますが、代表的なモザイクについての話です。
目次
モザイクは専属スタッフがチェック
別の規約違反の件のとき、なるがみ氏のツイートで専属スタッフが24時間体制でチェックしていることが判明しました。(2022年3月11日時点)
モザイクチェック含めて規約とポリシー違反自体は日に数十件ぐらいあって24時間体制で3人の専属スタッフがチェックしてます。昔は僕一人でやってたけど、買収されてからは開発と日々の運営からは抜けて、会社の経営と大きな機能の策定だけやってます。
— なるがみ (@nalgami) March 11, 2022
つまり、AIなどのシステムではなく人間がチェックしています。
また、納品時点ではOKでも後日に全検査されることがあります。
修正の要項はサービスリリース時から一切変わっていなくてモザイクの1辺はキャンバスの長い辺の1/100(小数点切上)以上。
時期によっては野菜の検査みたくスクリーニング検査しているものもあるので納品できたからセーフではなく、警告が発生したタイミングでそのクリエイターの全作品を検査します。— なるがみ (@nalgami) July 23, 2020
NSFW判定はシステムがチェック
ちなみに「イラストがNSFWかどうか」は画像認識システムでスキャンしているとのこと。
すべてのイラストは納品時に画像認識システムでスキャンを行なっており、NSFWとして設定される場合があります。NSFWの解除はできません。
出典:クリエイターガイドライン | Skeb 引用日付:2022/03/26
「モザイクチェックをAIがやっている」はここから生まれた誤解でしょうか。
納品時にNSFW設定されるというのは、健全リクエストで不健全な絵が納品された場合が該当します。
]肌色が多すぎてNSFW扱いされた、なんて話を聞きますね。
ただ、上記とは別に人間のチェックもしているかもしれません。判定を覆すためではなく、取りこぼし防止の二重チェックで。
NSFW/SFWチェック(モザイクチェックとは別)は1日1回組長がしてるけど数百万PVがあるサイトで最大24時間出しっぱなしになるのは危険なので
— なるがみ (@nalgami) December 9, 2020
かも、というのは2020年と古いツイートのため。現在どうなっているかはわかりません。
※「組長」は後で出てくる花山組組長のこと
Skebモザイクチェックの歴史
2018年11月のサービス開始からずっと人間によるチェックですが、担当者は時期によって異なります。
歴史を辿ってみましょう。
2018/11~:なるがみ氏
Skebはなるがみ氏個人の趣味で始まったサービスです。そのため、初期はなるがみ氏自身がモザイクチェックを行っていました。
「どうやっているか」に言及した初のツイートがこれ。Photoshopの選択ツールでモザイクのピクセルを確認していたそうです。
Photoshopの選択ツールでモザイクのピクセルを確認するとかいう世界一生産性のない仕事をこの世から無くして欲しい。せめてプロバイダ責任制限法の免責にわいちんを入れて欲しい。モザイクって全く意味がないと思うけど入れないと僕の家に家宅捜索が入るから仕方ないね。
— なるがみ (@nalgami) September 15, 2019
公式ツイートでも手作業で確認と言っていますね。
不明瞭化処理は不可逆(レイヤー等で分離不可)で不透明である必要があります。
登録者数増加に伴って、処理の甘い作品が増えているため、中の人が1つ1つ手作業で確認しており辛いです・・・
中の人もモザイクに意味があるのか懐疑的ですが、サービスの維持には絶対に必要です。
ご理解をお願いします。— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) October 8, 2019
2020/08~:花山組組長
VTuberの花山組組長こと花山円氏(@HanayamaMadoka)に業務委託。なるがみ氏の友人。
Skebのモザイクチェックつらすぎて頭おかしくなるので花山組組長に業務を委託しました。シノギじゃシノギ。
— なるがみ (@nalgami) August 4, 2020
こんな方。
2021/11~:専属スタッフ
そして記事冒頭の専属スタッフへ。
モザイクチェック含めて規約とポリシー違反自体は日に数十件ぐらいあって24時間体制で3人の専属スタッフがチェックしてます。昔は僕一人でやってたけど、買収されてからは開発と日々の運営からは抜けて、会社の経営と大きな機能の策定だけやってます。
— なるがみ (@nalgami) March 11, 2022
2021年2月、Skebは実業之日本社に10億円で買収されました。なるがみ氏が一人で開発・運営していたSkebも、それからは社員が増えています。
3周年となる2021年11月、組織の刷新が行われ10人体制になりました。
年表では組織刷新の欄に「検閲スタッフ3名」が表記されています。このあたりで花山組組長から交代でしょうか。
Skebの年表をまとめてみました!
今年4月までは1名で開発・運営していた個人サービスでしたが、11月に組織の刷新を行い、現在10名の体制になりました。 pic.twitter.com/FzRpMfBT93— Skeb (スケブ) (@skeb_jp) November 30, 2021
この時点で専属スタッフが判明してるわけですが、私は普通に見逃してました。
ちなみに、花山組組長や専属スタッフがどのようにチェックしているかは不明です。
地道に定規ツールを使っているのか、なんらかの補助ツールを使っているのか、わかりません。
以上、Skebモザイクチェックの歴史でした。
モザイクチェックのおしごと
あなたも一度はこう思いませんでしたか?
しかし、上で引用したなるがみ氏のツイートを見るとかなり辛い作業のようですね。
性癖壊れる
たぶん言葉の使い方違うけど……。
Skebは性癖博覧会。
エロだけでも様々……具体的な例として、Skeb初期はケモホモ愛好家たちの新天地になっていたそうです。
つまり、趣味に合わないものも大量にチェックする必要ありです。
そしてハードコア。R-18G=グロ画像もあります。一日の数は少なくても、毎日ならそれなりの量に。
結果、こうなりますな。
7つの海のあらゆる性癖のモザイクチェックし過ぎて何も感じなくなってしまった
— なるがみ (@nalgami) July 23, 2020
えっちイラストはモザイクチェックの労災で抜けなくなったので困るのじゃ
— なるがみ (@nalgami) August 13, 2020
人を雇うコスト:人件費
じゃあ人を雇おう、となると問題になるのはコスト。人件費です。
花山組組長は時給で5000円くらいでした。
モザイクチェックは月額契約だけど換算時給5000円くらい
— なるがみ (@nalgami) August 6, 2020
このツイートは花山組組長と契約する前のもの。運営コストの増加が手数料に跳ね返るのを懸念しています。
クリエイター登録時の設問 -> 納品前の最終確認でも守ってくれない人がいるし、モザイクチェックする人員を雇ってその分手数料を上げるのは本当に生産性が無って感じ。何より守ってくれているクリエイターさんが不利益を被るのでNSFWの初回アップロード時と違反したユーザーは60日間納品前に設問かなぁ
— なるがみ (@nalgami) June 28, 2020
ただ幸いなことに、サービス開始以来、手数料が上がったことはなかったはずです。
そして24時間体制の専属スタッフを雇えるくらいの余裕もできたようですね。
人を雇うリスク:炎上
モザイクチェックで毎日200枚のエロ画像を見ているという会話から。「ミス=誤判定」は炎上のリスクがあります。
役得な訳ない。ミスったら炎上するし、放置してたらわいちんで僕が捕まる!!!!!!
— なるがみ (@nalgami) July 12, 2020
※わいちん=わいせつ電磁的記録媒体陳列罪?
花山組組長の換算時給5000円の理由もこれ。
モザイク守ってる作品に1通でも警告を送れば炎上リスクなので
— なるがみ (@nalgami) August 6, 2020
慎重な判断を毎日続けるからこその高給ですね。
プレッシャーが大きい仕事だと思います。それでも人間、そのうち慣れてミスを起こしかねません。雇う側になっても気苦労は絶えなさそうです。
炎上については「人によって判断のブレがある」を懸念したツイートもあった気がしますが、これは見つかりませんでした。
「アレはいいのにコレはダメ!?」は感情に火が着きやすいので、専属スタッフ3人はこれが一番のリスクに思います。
モザイクチェックのおしごとは以上。
まとめ
- モザイクは人間がチェックしている
- たいへん
おわり
モザイクチェックは誰がやってる?の記事はここまでとなります。
関連記事:
【Skebガイド】NSFWとハードコアについて
NSFW≒R-18、ハードコア≒R-18G。ただし、特にNSFWについては完全なイコールとは言い難いです。
定義について私見を交えた解説と、Skebの設定についてのまとめ。
検索ワード:
(from:nalgami OR from:skeb_jp) (モザイク OR 不明瞭化) - Twitter検索 / Twitter